⽂部科学省「データ関連⼈材育成プログラム」
『医療・創薬 データサイエンスコンソーシアム』

イベント

MD-DSC主催「東北メディカル・メガバンク機構訪問研修」の開催報告

医療・創薬データサイエンスコンソーシアムの企業人材受講生は、研修先機関にてデータ解析実習を行います。2018年度の研修先機関に、東北大学東北メディカル・メガバンク機構と慶応義塾大学先端生命科学研究所が新規に加わりました。東北大学東北メディカル・メガバンク機構での研修は、東京医科歯科大学と東北メディカル・メガバンク機構間で共同研究契約を結び、2018年12月7~8日に東北メディカル・メガバンク棟 (宮城県仙台市)にて開催されました。研修では、東北メディカル・メガバンク機構が保有する「TMM 23Kデータ」(約2万3千人のSNPアレイの遺伝子型情報、健康調査情報から構成)の構造や解析方法について理解を深めます。11名のコンソーシアム受講生が、本研修に参加しました。研修は、下記スケジュールで実施されました。

一日目 東北メディカル・メガバンク棟1Fアトリウムに集合,スパコン事前準備作業 11:00-12:00
昼食 12:00-13:00
研究施設見学 13:30-14:00
講義と実習1 14:00-17:00
二日目 講義と実習2 9:00-12:00
昼食 12:00-13:00
実習3 13:00-15:00
まとめ、質疑応答(個別) 15:00-16:00

データ解析実習は、東北メディカル・メガバンク機構に設置のスーパーコンピュータを使用しました。一日目の朝は、スーパーコンピュータのアカウント作成と認証用の指紋の登録を行いました。スーパーコンピュータ用のクライアントは9台の為、2名が交代でクライアントを共有しました。午後は、長神特任教授の案内により、スーパーコンピュータやDNAシークエンサ等の東北メディカル・メガバンク機構の施設を見学しました。その後、荻島教授による「東北メディカル・メガバンク計画の進捗状況」の講義で、東北メディカル・メガバンク機構のプロジェクトについて理解を深め、統合データベースシステムdbTMMについて学びました。田宮教授のデータ解析実習では「バイオバンクスケールのデータ解析」、具体的にはジャポニカアレイ®v2(SNPアレイデータ)を中心とするゲノムワイド関連解析を学びました。関連解析の為の条件設定や、バイオバンクスケール時代の遺伝子型Imputationの課題、解析ツール選択時の注意事項など、最先端の解析情報を紹介して頂きました。二日目も引き続き、田宮教授がコマンド操作をする画面を追ってプログラミングをしながら、貴重な解説情報をメモするという実習が続きました。また、フェノタイプを検索して被験者数をカウントする、関連するフェノタイプ情報を探索する、等の操作を受講生各自が行いました。実習の最後には、分譲とデータ解析について、受講生から先生方に多くの質問が出ました。荻島先生、田宮先生をはじめ多くの先生方・事務の方々のサポートにより、受講生達は貴重な学びを体験する事が出来ました。本研修で御支援頂きました全ての皆様に厚く御礼申し上げます。


施設見学時に、東北メディカル・メガバンク機構のスーパーコンピュータを前に記念撮影