⽂部科学省「データ関連⼈材育成プログラム」
『医療・創薬 データサイエンスコンソーシアム』

カリキュラム・講師紹介

研究会活動内容

オープンイノベーション(前競争的)研究会

産官⼀体となってビッグデータ医療やAI 創薬等、課題に応じた研究部会を設置。
アカデミア、製薬企業、IT 企業が交流をもつ場を構築することによって、わが国の医療・創薬分野での国際競争力の向上と研究の世界的先端性の達成を目標とするAll Japan のコンソーシアムへと発展させる。

ビッグデータ医療部会

■医療ビッグデータ解析、電子カルテの臨床情報とゲノム情報の統合、Real World Data 準拠型臨床研究、バイオバンク構築システム論、疾患データベース構成論などの研究会活動を行う
■国際的なビッグデータ医療についての研究状況の共有とAI を用いた 応用研究についてのopen innovation として情報交換を⾏う

AI 創薬部会

■ヒトの網羅的分子情報や化合物との相互作用情報など「生体ビッグデータ」のもつ「創薬力」をAI により抽出し活用する
■多くの生体ビッグデータベースを使って生命系全体としての反応を予測する「分子プロファイル計算創薬・DR」の研究の現状を総覧
■AI 創薬の国際的な研究情報交換やOpen Innovation としてのAI 創薬の共同研究
■Deep Learning を用いて疾患の薬剤標的を探索するシステム(東京医科歯科⼤学)を軸に応用性の高い「AI 創薬」方法論を追跡し、個々の製薬企業の「創薬力」の向上に寄与する

研修プログラム

※平成30 年度

東京医科⻭科⼤学

・⼤学で開発したDeep Learning によるAI創薬プログラムを使⽤した計算創薬演習など
・遠隔セキュリティルームを使って、東北メディカルメガバンク機構のデータを活⽤する課題

東北大学 東北メディカル・メガバンク機構

・東北大学 東北メディカル・メガバンク機構のスーパーコンピュータと統合データベースにより検索されたデータを⽤いて課題を解析

東京理科⼤学薬学研究科

・RNA-seq を始めゲノム配列解析、創薬解析

慶應義塾大学薬学研究科

・薬品の開発過程全般にわたる諸課題に関する研修など

国⽴精神・神経医療研究センター

・同センターの筋・神経疾患データベースを⽤いて疾患機序の解析

国立国際医療研究センター

・感染症・糖尿病のデータベースを⽤いて研修

(公財)がん研究会

・がん病理画像の深層学習による画像診断をテーマ

製薬会社・IT企業、ベンチャー(インターンシップ)

・博⼠課程学⽣がコアカリキュラムで学習した⽅法を⽤い て与えられた課題に取り組む
・連携機関(製薬・医療IT企業)は、研修プログラム(インターンシップ)を開催・実施することは推奨されるが義務ではない

コアカリキュラム

※平成30 年度
講義科目一覧・詳細はこちらからダウンロードいただけます>> 講義一覧ダウンロード

データサイエンス基礎系(3 科目、25 コマ)

システム医学概論(9コマ)(東京医科歯科大学・浅原弘嗣、田中博、⾧谷武志。理研・川上英良、柚 木克之。山口大学医学部・浅井義之。日本医科大学・肥田道彦。東京大学・辻真吾。大阪大学・菊地正隆。)
生命医科学をシステム的観点から理解するため必要となるデータサイエンスの手法について講義を行 う。また、システム医学の多様な疾患および遺伝子の機能の探索に対する応用事例について解説し、シ ステム医学に関する理解を深める。

人工知能・機械学習概論(8 コマ)(理研・美添一樹、田部井靖生、山本陽一朗。産総研・坂無英徳、 村川正宏、瀬々潤、西村拓一。慶應義塾・岸本泰士郎。)
理論部分は理研革新的知識統合センター(AIP)が担当。産総研人工知能研究センター、慶應義塾医学 部・精神神経科学教室は後半のAI の医学応用担当
前半はAI 医療応用5コマ:産総研人工知能研究センター、慶應義塾医学部・精神神経科学教室。
後半は機械学習理論3コマ:AIP 担当

ゲノム統計学概論(8コマ)(東北大学・AIP 田宮元)
東北大学メガバンク・AIP 兼任の田宮元教授が全8コマを担当・編成
内容遺伝統計学・ゲノム配列解析・ビッグデータ統計学

ゲノムサイエンス基礎系(3 科目、8 コマ)

ゲノム医科学基礎論(3コマ)( 理化学研究所・森岡勝樹。)

次世代シーケンサ解析(3コマ)(東京医科歯科大学・神沼英里。)
次世代シーケンサーの原理とその解析法について

Precision medicine(2コマ)(東京医科歯科大学・田中博。)
ビッグデータ医療、ゲノム医療の総論
米国のゲノム医療の2010 年の開始から今日に至るまでの発展
3つの主要方向(希少疾患、がんドライバー遺伝子、薬剤代謝酵素)
政策論2013 年のNIH のBD2K、そして2015 年のオバマ大統領のPrecision Medicine Initiative の 内容を紹介し、2017 年から始まった100 万人ホート(All of Us)やCancer Moon Shot 計画を説明する。

計算機実習系(2 科目、16 コマ)

R プログラミング実習(8コマ)
R 基礎演習(順天堂・茂櫛薫:前半4コマ)
R による機械学習プログラムの作成(東京医科歯科大学・⾧谷武志:後半4コマ)

パイソン(Python)プログラム演習(8コマ)(東京大学・辻真吾。)
人工知能でいまや主役となっているプログラムの言語Python を8コマの充実した時間割で徹底教育

ビッグデータ医療系(6 科目、21コマ)

Biobank/Genome Cohort 特論(4コマ)(東北大学・髙井貴子、荻島創一。三井情報・高橋順子。 東京医科歯科大学・田中博。)
ゲノム医療の第2の流れとしての欧州を淵源とするバイオバンク/ゲノムコホート運動の総論。
アイスランド deCODE 社→UK バイオバンク→オランダライフライン→東北メガバンクの大規模前向 きゲノムコホートの概念成立
個別化医療の情報基盤としての「疾患バイオバンク」

生命医科学ビッグデータベース特論(4コマ)(⾧崎大学・三嶋博之。京都大学・鎌田真由美。順天堂大学・ 茂櫛薫。クラリベイトアナリティクス・本多栄治。)
医療・創薬の現場でデータサイエンスを活用するために必要な、がん、稀少疾患、感染症、認知症、 生体内相互作用、生理活性物質などに関するデータベースの解説。
GWAS カタログ、Clinvar,Cligen,TCGA,GEO,CMap,1000genome,HPRD、Drugbank、 PheKB など

疾患データ科学特論(慢性疾患)(3 コマ)(加藤規弘、竹内史比古、岡﨑敦子)
慢性疾患のデータ科学について、国際医療センター(加藤規弘ゲノムセンター⾧)にご担当頂く。国 際医療センターで構築している、「疾患データベース」を説明。

疾患データ科学特論(精神疾患)(3コマ)(水澤英洋、髙橋祐二、木村円)
精神神経疾患に関するデータ科学について、精神神経センター(水澤総⾧)にご担当頂く。精神神経 センターで構築している、「疾患データベース」を説明。

疾患データ科学疾患データ科学特論(がん)(3 コマ)(森誠一)
がんに関するデータ科学について、がん研にご担当頂く。がん研で構築している、「疾患データベース」 を説明。

モバイルヘルス特論(4 コマ)(東京大学・脇嘉代。滋慶医療科学大学院大学・宇田淳。東京慈恵会 医科大学・髙尾洋之。国立保健医療科学院・水島洋。)
モバイルヘルス技術や地域医療介護連携サービスと安全管理に関する講義を行う。また、これらの実 社会での活用事例について解説し、最先端の研究について理解を深める。

AI創薬系(3 科目、24 コマ)

AI創薬/現代医薬統計学特論(8コマ)(東京理科大学・宮岡悦良。九州大学・山西芳裕。東京工 業大学・石田貴士。医薬基盤・健康・栄養研究所・江崎剛史。東京医科歯科大学・田中博、⾧谷武志。中 外製薬・青木事成。Preferred infrastructure・岡野原大輔。)
AIとリアルワールドデータ医療統計について、体系的な講義を行う。また、創薬・医療の現場におけ る実際の解析事例、および、国際的な研究状況と展望について解説し理解を深める。

創薬分子プロファイリング特論(8コマ)(産総研・堀本勝久、福井一彦、福西快文、竹内恒。株式 会社バイオモデリングリサーチ・中村寛則。)
創薬を巡るオミックス科学に関して、産総研創薬分子プロファイリング研究センターが8コマ担当(周 辺領域、とくにバイオマーカ、DR、質量分析など)。

インシリンコ創薬化学特論(8コマ)(東京大学先端科学技術センター・藤谷秀章。星薬科大学・福澤薫。 理化学研究所・本間光貴。筑波大学・広川貴次。)
分子動力学(MD)法やフラグメント分子起動法(FMO)などの分子計算によって標的分子とリガンド の結合を計算しリード化合物や最適化の実際を学ぶ。CBI 学会から8コマを計画する

一般科目(1科目、1コマ)

生命倫理(1コマ)(東京医科歯科大学・吉田雅幸。)
データサイエンスの利活用に際し必要不可欠となる倫理について講義を行う。また、研究・社会実装場面 における倫理の考え方や方法について解説し、理解を深める。

講師陣

東京医科⻭科⼤学 名誉教授
東北⼤学 東北メディカルメガバンク機構
⽥中 博 機構⻑特別補佐
東北⼤学
ゲノム遺伝統計学分野理化学研究所
⾰新知能統合研究センター兼任
⽥宮 元 教授
国⽴国際医療研究センター 研究所
遺伝⼦診断治療開発研究部
メディカルゲノムセンター
加藤 規弘 センター⻑
国⽴精神・神経医療研究センター
⽔澤 英洋 理事⻑
公益財団法⼈がん研究会
がんプレシジョン医療研究センター
次世代がん研究シーズ育成プロジェクト
森 誠⼀ プロジェクトリーダー
産業技術総合研究所
創薬分⼦プロファイリング研究センター
堀本 勝久 副センター⻑